量子ネットワークが計算速度に追いついた──1kHzもつれ生成の技術
IonQは10月9日、閉じ込めイオンの量子ビットとダイヤモンド内の固体量子メモリの間で、毎秒1000対を超える量子もつれ生成を実証したと発表しました。平均生成率1.032kHz・忠実度87.9%という数値の技術的背景から、ダイヤモンド薄膜の量産プロセス、残された課題までを解説します。
物理・化学・生命科学・地球科学の基礎研究。査読論文とプレプリントを起点に、何が新しくて何がまだ分かっていないのかを整理する。
IonQは10月9日、閉じ込めイオンの量子ビットとダイヤモンド内の固体量子メモリの間で、毎秒1000対を超える量子もつれ生成を実証したと発表しました。平均生成率1.032kHz・忠実度87.9%という数値の技術的背景から、ダイヤモンド薄膜の量産プロセス、残された課題までを解説します。
イギリスのサリー大学の研究チームが、電荷を持たない超流動ヘリウムを情報の担体とする量子ビット「SHOQ」の設計案を発表した。理論計算では超伝導量子ビットの約100分の1のエラー率が予測され、マイクロメートルサイズでミリ秒のコヒーレンス時間も見込まれる。実証実験の成否が次の焦点となる。
Bat1Kコンソーシアムが、現生21科すべてを含む103種のコウモリのゲノムと44種の化石を統合して系統樹を再構築した。その結果、コウモリは約6,000万〜6,500万年前の後期暁新世に欧州で誕生し、飛行とエコロケーションは進化初期に獲得された可能性が示された。
IBMの量子クラウドで稼働する120量子ビットプロセッサ「Nighthawk r2」を用い、ランダム回路サンプリングによる量子優位性の実証が査読前プレプリントで報告された。100万サンプルの生成は19秒で、スーパーコンピュータでの再現には推定100年以上。特別な較正なしに標準ワークフローで再現できる点が新しい。
CERNの研究チームが、反陽子92個を閉じ込めた携帯型トラップをトラックで約7.5キロメートル輸送し、1個も失わなかった成果をNature誌に報告した。輸送後も1か月以上の貯留を確認。反物質を静かな実験室へ届け、対称性検証の精度を100倍以上高める道が開けた。
IonQは9月22日、市販の単一CPUで動作するエンドツーエンド型リアルタイム量子誤り訂正デコーダを業界初として発表した。最大408論理量子ビット・3150万件超の操作のベンチマークで、計算の引き伸ばしは最小0.02%。故障耐性量子計算の古典側ボトルネック解消を主張する。
スタンフォード大などのチームは9月16日、皮質を遺伝的に欠くマウスにヒト幹細胞由来の脳オルガノイドを移植する手法をNature誌に報告した。ヒト組織は3カ月で皮質容積の91.9%を占め、マウスの神経系と統合した。行動や知能を高める効果はなく、脳発達障害の研究と治療開発の新しい実験系として注目される。
スウェーデンのチャルマース工科大学は、超伝導回路のマイクロ波場に情報を蓄えるボソニック符号に対し、数千回の駆動サイクルを1回に短縮する量子演算手法をPhysical Review Lettersで発表した。演算時間の短縮は誤りの蓄積を減らし、耐故障量子コンピュータへの道を開く。
9月8日付のプレプリントで、フェルミオン―量子ビット変換GSEについて初めて回路レベルノイズ下の耐故障性が評価され、約4×10⁻³のしきい値が報告された。量子化学計算への道を開く符号化技術の進展を、同日公開の量子通信容量の強逆定理と併せて読み解く。
水産無脊椎動物の2019年生産はビタミンB12とセレンの年間必要量50億人分に相当すると、Nature誌に全球規模の定量評価が発表された。小型漁業の貢献が漁獲量比を上回る点も明らかになり、栄養政策の見直しを迫る内容だ。