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science14 件の記事

物理・化学・生命科学・地球科学の基礎研究。査読論文とプレプリントを起点に、何が新しくて何がまだ分かっていないのかを整理する。

量子ネットワークが計算速度に追いついた──1kHzもつれ生成の技術

IonQは10月9日、閉じ込めイオンの量子ビットとダイヤモンド内の固体量子メモリの間で、毎秒1000対を超える量子もつれ生成を実証したと発表しました。平均生成率1.032kHz・忠実度87.9%という数値の技術的背景から、ダイヤモンド薄膜の量産プロセス、残された課題までを解説します。

エラー率100分の1──超流動ヘリウムの量子ビット設計案が発表された

イギリスのサリー大学の研究チームが、電荷を持たない超流動ヘリウムを情報の担体とする量子ビット「SHOQ」の設計案を発表した。理論計算では超伝導量子ビットの約100分の1のエラー率が予測され、マイクロメートルサイズでミリ秒のコヒーレンス時間も見込まれる。実証実験の成否が次の焦点となる。

19秒と110年の差――クラウドで「誰でも再現できる」量子優位性の条件

IBMの量子クラウドで稼働する120量子ビットプロセッサ「Nighthawk r2」を用い、ランダム回路サンプリングによる量子優位性の実証が査読前プレプリントで報告された。100万サンプルの生成は19秒で、スーパーコンピュータでの再現には推定100年以上。特別な較正なしに標準ワークフローで再現できる点が新しい。

IonQが単一CPUのリアルタイム誤り訂正デコーダを発表、遅延は最小0.02%

IonQは9月22日、市販の単一CPUで動作するエンドツーエンド型リアルタイム量子誤り訂正デコーダを業界初として発表した。最大408論理量子ビット・3150万件超の操作のベンチマークで、計算の引き伸ばしは最小0.02%。故障耐性量子計算の古典側ボトルネック解消を主張する。

ヒト脳組織がマウス脳の9割を満たす――「空間競争」を消す新手法が開く道

スタンフォード大などのチームは9月16日、皮質を遺伝的に欠くマウスにヒト幹細胞由来の脳オルガノイドを移植する手法をNature誌に報告した。ヒト組織は3カ月で皮質容積の91.9%を占め、マウスの神経系と統合した。行動や知能を高める効果はなく、脳発達障害の研究と治療開発の新しい実験系として注目される。

量子演算を1000倍高速化——スウェーデン・チャルマースの新制御法が耐故障計算に迫る

スウェーデンのチャルマース工科大学は、超伝導回路のマイクロ波場に情報を蓄えるボソニック符号に対し、数千回の駆動サイクルを1回に短縮する量子演算手法をPhysical Review Lettersで発表した。演算時間の短縮は誤りの蓄積を減らし、耐故障量子コンピュータへの道を開く。